カテゴリ
全体 日本語教育&英語教育 HIV/Aids アフリカの空のした 吉村家アフリカを行く! 吉村家の食卓 ブログ 吉村家、アフリカを離れると……! アフリカの政治 萱葺きの家から 今月の読書と映画 アフリカの学校と子どもたち この人が素晴らしい 番外編 昭和ヒトケタ・アフリカで暮らす プロフィール 2010年ワールドカップ アフリカで日本食ビジネス スポーツの世界 未分類 以前の記事
2011年 05月 2011年 04月 2011年 03月 2011年 02月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 10月 2010年 09月 2010年 08月 2010年 07月 2010年 06月 2010年 05月 2010年 04月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 08月 2009年 07月 2009年 06月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 2008年 12月 2008年 11月 2008年 10月 2008年 09月 2008年 08月 2008年 07月 2008年 06月 2008年 05月 2008年 04月 2008年 03月 2008年 02月 2008年 01月 2007年 12月 2007年 11月 2007年 10月 2007年 09月 2007年 08月 2007年 07月 2007年 06月 フォロー中のブログ
メモ帳
最新のトラックバック
ライフログ
検索
タグ
その他のジャンル
ブログパーツ
最新の記事
外部リンク
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
私には人生のお手本になる人が何人もいます。もちろん、その中には会ったこともない歴史上の人物とか、マザー・テレサや、ネルソン・マンデラ氏なども含まれています。
そして、私はものすごく単純なので、書物とか、彼らのスピーチの原稿などを読んでは、はらはらと泣き、「私もがんばろうじゃないの!」といきり立つわけです。 さて、皆さんは「メンター」という言葉をご存知でしょうか。 大辞泉によると、 「優れた指導者。助言者。恩師。顧問。信頼のおける相談相手。ギリシア神話で、オデュッセウスがトロイ戦争に出陣するとき、自分の子どもテレマコスを託したすぐれた指導者の名前メントール(Mentor)から」 ということです。つまり自分が心から尊敬できる人のことですね。精神的な面での指導をしてくれる人、という捉え方も多いようです。 いま、私が読み進めている本、『Three Cups of Tea』Greg Mortenson & David Oliver Relin著にも、モーテンソン氏のメンターであったパキスタンのカラコーラム・コルフェ村の村長、Haji Ali という人物が出てきます。彼は、この本のタイトルともなった、この村に伝わる教えを著者モーテンソン氏に教えました。 「私たちのつきあいとは、三杯のお茶を飲みながら始まります。一杯目、あなたは見知らぬ人、二杯目であなたは友人になります、そして三杯目にはあなたは私たちの家族の一員です。私たちは家族のためならば、どんなことでもします、それがたとえ“死”をもたらすことだとしても……」 背筋が伸び、体の芯が震えるような“教え”です。世界は本当に広くて、私たちの知らない素晴らしい世界があちらこちらにあることを教えてくれます。 この本のことはまたの機会に詳しく書きますが、このヒマラヤ山中の極貧の村での体験から、モーテンソン氏は登山家から転身し、ここ15年くらいの間に、パキスタン、アフガニスタンに78にも上る学校を建設したのです。様々な脅迫、誘拐などにも負けずに。 さて、メンターに戻りましょう。 私が今日ご紹介したいのは、今年、92歳になられる評論家の秋山ちえ子先生です。先生は、1948〜56年、NHKラジオ「婦人の時間」、「私の見たこと、聞いたこと」を担当されたあと、TBSラジオでの仕事に入り、「秋山ちえ子の談話室」は1957年から2002年まで1万2512回放送をされました。その後、同じTBSで毎週日曜日の放送を2005年まで続けられたのです。私もこの日曜日の番組には2回ほどゲスト出演させていただきました。 私が日本で生活していたある朝のことです、番組の中で秋山先生が、「世界地図」についてお話をされていました。私は、毎朝の通勤途中の車内でその番組を聞かせていただいていたのです。その頃私は「国際理解教育」という考え方を英語教育の基本にする仕事をしており、その一環として、『ピーターズ図法』で描かれた世界地図を日本にも広めていたのでした。 拙著『公立小学校でやってみよう!英語』草土文化2000、P42より。 双方の地図の日本の位置ではなく、アフリカ大陸の大きさに 注目してください。ピーターズ図法で表された大きさが実測に近い。 『ピーターズ図法』とは、球体である地球を地図という平面にしたときに出る誤差を、全世界の地域、国に平等に配した図法です。反対に、私たちがよく知る地図は、『メルカトル図法』で描かれたもので、北半球にある国々が地図上の面積が大きく見えるように、その誤差を使っている図法なのです。ただし、『メルカトル図法』の方が、国々の“形”は実態に近いのです。 メルカトルさんは、今から500年以上前の大航海時代の人ですので、この誤差の使い方にも理由があるのです。大航海時代には、各国の実際の大きさはそう重要ではなく、航海の目的としての地図の役割は、その海岸線の正確さが求められたのでしょう。何事も、その目的によって、最終的な製品が異なってくるのはいつの時代にも通じる真実です、 でも、私たちは、いまの時代の子どもたちには、より正確な面積比で描かれた世界地図を提供してあげたい、と考えていたのです。500年前に航海に必要だった地図と、国際情勢や様々な文化を先入観なしで学ぶ必要のある現代の子どもたちには、こういった二種類の地図を比べて提示することさえ、「国際理解教育」の始めの一歩でもあるのでした。 さて、私はTBS経由で秋山先生に、このピーターズ図法と共に、どうしてこの地図を日本の子どもたちに知って欲しいか、また、子どもたちが英語を学ぶ動機とは、「世界に平和をもたらすためにするコミュニケーション能力のひとつ」なんだよ、ということを子どもたちに訴えたい、という熱のこもった手紙を送らせていただいたのです。 ここから私と秋山先生のお付き合いは始まりました。 秋山先生は、「戦争の悲惨さを語り続けること」と「置いてきぼりになる人がいない社会を目指すこと」を二つのライフワークと決め、毎日、ラジオや執筆で地道な活動を続けてこられました。 先生のお宅に何度もお邪魔したり、美味しいものをご馳走になったりするたびに、先生のお話を聞く機会に恵まれました。 「世界を訪ねて、公園やスーパーマーケットでたくさんの人と話して、そこからわかったことはね、国が違っても、普通の人々の暮らしは何も変わらないということなのよ。ブツブツ文句を言いながら働いたり、嫁姑で悩んだり、休日やお祭りにははしゃいで楽しんで、それが終わればまた働いて……。戦争で死んでいくのは、そういう普通の人々なのよ」 先生は、私のしていることに、ご自分の若かった日々を重ねるようだ、ともおっしゃってくださいました。実は、初めてお目にかかったとき、私は40歳、先生は80歳、ちょうど半分の年だったのです。 「あなたの行動半径は、きっと、これからも広がるわね。私があなたの時代を生きるとしたら、きっと同じだったと思うわ」ともおっしゃいました。 私は、先生に出会う前も、英語教育の中身として、人権のこと、平和のこと、行ったこともない国や地域に住む人々のことを考えられるような個性を育みたい、と教材を作成し、先生方に訓練もし、そして実際自分の生徒たちにもそのことを訴えてきました。 私の講演や出版物で私の考えていることに賛同して集まってきてくれた優秀な仲間と、心ある出版社の編集者さんたちには恵まれながらも、そのころ日本を覆っていた「流行りものの英語教育」とはかなり極端に違う英語教育だったため、ほとんど日本中を相手に奮闘していた感もありました。 そんな中、秋山先生の応援はどんなに心強かったことでしょう。 「思った通りに進みなさい。時代はやがて追いついてくるはずよ」とも励まされました。 平和のこと、戦争のこと、私もアフリカの生活を通して皆さんに知っておいてもらいたいことがたくさんあります。その中には、私が毎週運営するビーズ教室に通ってくるエイズの患者さんたちも含まれています。 秋山先生のライフワークの「置き去りにされる人がいない社会」とは、私にとっては日本だけではなく、アフリカをも含めた地球規模でのことなのです。 多くの人が、「私一人が何をしたって世の中が変わるわけがない」という思いを抱いてしまいます。これはもう、ものすごくよく理解できます。私だって、何回も何回もへこたれそうになっています。 でも、実は、そんな私でも、“あること”があるので、前進していけるのです。そして、その“あること”とは、実は、秋山先生に教えていただいたのです。 この続きは来週に!
by yoshimuramineko
| 2009-02-16 13:02
| この人が素晴らしい
|
ファン申請 |
||