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ここ3週間くらいかなりしぶとい風邪をひいています。特に先週の終り頃から、症状がぐんと悪化したので、ついに降参して近所のGP(かかりつけの医師)のところへ行こうと電話したら、「ドクターは今いません。月曜に帰って来ます」とのこと。ああ。どうやら、喉にバイ菌が入った模様で、もう首周辺がパンパンに腫れてしまいました。
市販の風薬薬に頼っていたのですが、こうなったらもう抗生剤のお世話になるしかないようです。はい、もっと早く医療機関に行かなかった私が悪いのです。今日は観念して、緊急予約を入れてもらおうと思っています。 さて、先週まで南アフリカのダーバンのあるクワズールナタール州では、公立病院のお医者さんたちのストライキが行われていました。重傷患者さんたちは、私立の病院に緊急搬送されたようですが、それも数は少ないはずです。ラジオではその費用に2千万円の支出が見込まれる、との報道もありました。でも、新規の患者さんたちはかなり診療拒否にあったようで、私の周りでもエイズ関連で1人が死亡し、もう一人妊娠後期の妊婦さんが赤ちゃんを亡くされています。 今週は、南アフリカの医療体制のことを少しご紹介しましょう。 南アフリカは、世界で最初に心臓移植手術が行われた歴史があるように、医療技術は世界でも最先端のものを誇ります。が、それは残念なことに、国民全員に行きわたるサービスではありません。 まず、南アには、日本のような国民皆保険という制度自体がないのです。 ということはどういうことか。南アで医療機関にかかる必要が生じた場合、一切を個人負担するか、または予め加入していた医療保険に頼ることになるのです。 ただし、こういった個人負担で加入する医療保険に入れない人は、無職や一定以下の収入を証明したりできれば、無料の診察を公のクリニックや病院で受けることができます。が、例えば、私の知り合いは親知らずの抜歯をお願いしていても、もう2年以上も待たされています。つまり、自分の順番がまわってくるまで、かなり長く待たなくてはいけない、ということなのです。特に今回のようなストライキ、というような異常事態が起こった際、人々はなすすべもなく放置されてしまうのです。 さて、私たち家族が加入しているのは、Medshield という保険会社で、南ア全体では第六番目の規模の会社です。実はこの会社に加入する前は、別の保険会社に5年ほど入っていたのですが、あまりのサービスの悪さに悲鳴をあげて、現在のこの会社に移ったのでした。 もともと、南アのビジネスにおいて、顧客サービス、というものはあまり発展しているとは思えません。これは多くの外国に暮らしたことのある南ア人も口を揃えて言うことなのですが、南アの顧客サービスはレベルが低いのではなくて、そもそもの“サービス”の概念が乏しいのです。 顧客サービスに苦情の電話を入れても、まず、「申し訳ありませんでした」というような言葉と態度は期待できません。 本当は穏やかな?はずの私も、電話口で思わず声を上げたことが何度かあります。 これは、政府系の事務所と一年中仕事をしなくてはいけない夫のほうがもっと大変かもしれません。だって、提出した書類を平気で紛失するのです。最初は夫もその度に「書類は送っています。探してください」とお願いしていたようですが、この頃は、もうきっぱりさっぱりあきらめて、「見当たらない」と言われたら、「はいはい、またファックスします」と、戦うこと自体をあきらめている様子です。 う〜ん、こういったところがまだまだ発展途上国の横顔を持つ南アです。 さて、本題に戻りましょう。私たちの加入している個人医療保険は、月額の費用が2万5千円です。私たちは夫婦と子ども二人ですが、上の息子はもう20歳ですので、来年は大人の費用がかかるでしょうね。でも、学生の身分でいるうちは、私たちと一緒の保険でOKです。 補聴器の検査で暗い小部屋に入れられて不安そうな父 「補聴器が合わない」と文句を言っていた父に、こちらの Audiologist-聴覚師という資格を持つ専門家が補聴器の フィッティングをしました。欧州製の補聴器、すべての検査 込み、両耳で約11万円でしたが、この保険からの補助が 7万円ほど出ました。 この保険会社が持つプランの内、私たちが加入しているのは、上から二番目にカバーされる内容が充実しているもので、とにかく目玉が飛び出るほど高い入院費用が全額カバーされます。また、年額にして8万円ほどの薬代、レントゲン代、また我が家の4人の場合GP(主治医)への支払いも15回まではカバーされる、という内容です。でも、一旦は全額自費で支払っておいて、あとから請求する、というのは日本の便利な医療保険に慣れた身には最初大変面倒臭いものでした。レシートを揃えて請求するのを忘れてそのまま、も何回もあったような……。 さて、この“目玉が飛び出るほど高い入院費用”とは、例えば、交通事故などで私立の病院に入院すると、まずベッド料金として日本円にして一日3〜5万円、その他、医者の治療代やら薬代など、少なく見積もったとしても、1週間の入院で50万円から70万円の費用がかかるのです。 教師の月給が約10万円、という数字と併せて考えれば、一般の南ア人にとってこの数字がいかに高額だということがご理解いただけると思います。 でも、通常、多くの人は、このホスピタル・プランと呼ばれる、入院時にはとにかくすべてをカバーしてもらう最低のカバーのみの保険に加入します。そして、自分のお金を別枠で積み立ててそれを高利回りで運用してもらい“プール金”とし、そのプール金から通常の医者通い、歯医者、または薬代などの掛かった費用を支払う、といったプランも人気があります。とっさの場合に現金を用意するのが困難な家庭にこのプランは人気があります。 大企業では、日本のように、保険費用の半額を負担することを社員の福利厚生の一環としてアピールしているところもあります。 半分費用を負担してもらえるとして、私たちの加入しているプランに家族4人の学校の教師が加入しようとすると、個人の負担は1万2千5百円です。月給10万円の中からこれを高い、と捉えるか、安い、と捉えるかは微妙なところですね。 ただ、これを払えるのは、やはり夫婦共稼ぎの大人二人の収入がなくては無理なのでは?と友人の教員が言っていました。彼女はちなみにシングルマザーで、「健康保険を払う余裕はない」とはっきり言っていました。 さて、こんな南アの健康保険ですが、一つ、私たちのような“移民”というか、もともと南アの社会出身でないものには大変な不公平な仕組みがあります。 それは、1994年以前に南アの医療保険に加入していなかった人に対してはなんとペナルティが発生するのです。1994年は、南アにとっては民主主義政治が施行された記念すべき年なので、この年を境にいろいろな法制が敷かれました。 その中の一つが、この個人で加入する健康医療保険だったのです。具体的ペナルティとは、1994年以前に南アの医療保険に加入していたなかったら、21歳以上の被保険者は通常の費用の25%増し、50歳以下の被保険者は50%増し、そして70歳以上は7割増となるのです。 今回、80歳に近い私の両親をどうやって一番いい医療保険でカバーしようか、と悩んだときに、私たちの保険のブローカーが、今だったら、この Medshield なら、ペナルティなしで加入できる、という情報を提供してくれ、めでたく両親もこの保険会社に加入したのでした。 ただ、既往症のある場合、1年間はその既往症の治療費は出ないので、今年一年はぐっと我慢して高血圧、糖尿病、乾癬(皮膚病)などもろもろの症状の薬を全額自己負担しています。来年になったら、この1ヶ月2万円ほどの薬代が無くなると思うと、スキップしたい気持ちです。 さて、現在、南アで確認された新型インフルエンザに罹った人は600名です。今日の新聞では、南ア代表の学生合唱団が、韓国のソウルで開かれるはずだった世界合唱コンクールがキャンセルとなり、経由地のドバイで足止めされ、アラブ首長国連邦へ入国するビザがなかったため、南ア行きの次の飛行機でを待って2泊航空内で宿泊した、という記事が掲載されていました。 南アの新聞、メディアの論調は、韓国政府の指針に疑問を投げかけている雰囲気もあるようなないような……。南アの医療関係者の意見は、この新型インフルエンザは弱毒性であり、そこまで神経質になることはないのでは、というものです。保健省でも、この新型インフルエンザの対策として、人ごみに出ない、水分を補給しろ、そして解熱剤を服用すれば大丈夫、といとも簡単なことしか発表していません。また繰り返し、この新型インフルエンザの症状は、通常のインフルエンザと大差はない、ということも言っています。だから、パニックになる必要なし、とはっきり断言しています。 これを国柄の違いと捉えるべきなのか否か……。とにもかくにも、南アでの新型インフルエンザの経緯、注意深く見守っていきたいと思っています。
by yoshimuramineko
| 2009-07-14 04:07
| 萱葺きの家から
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