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娘のショウコがテレビを見ながら叫びました。
その理由とは……。 実は、南アで放送されているテレビのプログラムの中には、米国制のものが多いのです。その中のひとつが、「安い買い物をしました!」というプログラムで、頭のてっぺんからつま先まで、そのファッションを揃えるためにいくらお金がかかったか、ということを一般の女性が告白するのです。 ショウコが叫んだのは、ちょうどショウコくらいの米国の高校生が、 「この靴は35ドル、このスカートは40ドル、このTシャツは8ドル、帽子が15ドル、全部合わせても、100ドル以下です。超安いでしょう!」 と言っていたからです。 「え〜〜〜〜!35ドルって、350ランド、40ランドって400ランド、8ドルって80ランド、15ドルって、150ランド、全部で1000ランド近くする〜〜〜!この子、本当に高校生?どうしてそんなにお金を持っているの???」 そりゃあ、ショウコさん、住む国が違えば、その国の物価やお給料も異なります。 ただ、私たち家族のように、いくつもの大陸にまたがって生活したり、友人関係もそれこそ世界的に広がっていたりすると、「金銭感覚」というものの基準をどこに置けばいいのか、ということが時に揺れ動くのも事実です。 日本や米国の金銭感覚では、靴、洋服、帽子まで揃えて、一万円以内、というのはかなり「安い」ということになるでしょう。 ところが、南アフリカでは、これは「高い、しかも高校生にはとくに!」という“感覚”になるようです。 もちろん、南アフリカは、国内の経済格差が非常に大きい国で、国民の一割くらいしか所得税を納めなくてもいいという現実があります。これは、収入が所得税を払う金額に達していない人が圧倒的に多い、ということです。また、その所得税を支払う一割の層の中にも大きな差があって、自分の家にプールどころか、厩舎(!)まであり、そこに何頭もの馬を所有するような大邸宅に住む人たちもいれば、タウンハウスと呼ばれる集合住宅に住む人たちもいます。 ショウコの学校は私立の女子高で、ここに集まってくる子どもたちの家庭は、南ア国内では“裕福”な層、と言っても差支えはないでしょう。一年間、学費、寮費込みで日本円にして100万円ほど経費がかかります。 公立の小中学校の教員のお給料が、よくても10万円、という状況を考えると、年間一人の子どもに100万円かけられるのは、成功しているビジネスのオーナーや専門職で共稼ぎをしている南ア人家庭だと思います。でも、これでも、南アの中ではショウコたちの学校は私立の寄宿学校としては「やや安め」の感覚です。 冒頭のテレビのことがあったので、先日、ショウコを学校に迎えに行った際、週末に家に帰らなかった彼女の友人たちに、“普通の私服”を着てモデルになってもらいました。ダーバン近郊に家のない彼女たちは、通常の週末は学校の寮に残るのです。その中の何人かはいつも我が家に遊びに来る常連です。 左側リサンドラ(ピーターマリッツバーグ出身)ジャケット2500円、 短パンツ1500円、サンダル700円=合計4700円 右側ノックス(レイディスミス出身)カーディガン1000円、 黒のトップ1100円、パンツ1800円=合計3900円 左側ナレディ(イースタンケープ出身)トップ1200円、ジャケット2000円 スカート1500円、ブーツ2000円、ブレスレット300円=合計7000円 右側タマラ(ヒルクレスト出身)トップ1500円、パンツ2500円 靴2000円=合計6000円 左側ショウコ(東京出身)ポロシャツ・母からのお下がり 短パンツ500円、靴600円、帽子200円=合計1300円 右側シブ(ヨハネスブルグ出身)ジャケット2500円、 ジーンズ2000円、テニスシューズ5000円=合計9500円 左側ノンチェボ(レディイスミス出身)トップ1100円、 パンツ1800円=合計3900円 右側ジメ(レディイスミス出身)帽子1100円、トップ1500円、 ジーンズ1300円、靴700円=合計4600円 彼女たちなかなかおしゃれですよね。スタイルもいいので、まぶしいくらい格好いいです。高校生ですので、高額な洋服は買えませんがとってもスタイリッシュです。そしてお値段も、一番高額なのは、シブちゃんのテニスシューズが5000円。ほとんどが、こちらのお店でいうと、Mr. Price という、日本でいえばユニクロにあたるような大量販売のお店で調達するようです。 どの子も、個性があって、しかも、お値段的にも納得のいくものばかりです。 ショウコは得意満面で、 「ねっ、南アの私たちのほうがお金の使い方が上手だよね!」 と威張っていました。 しかし、それにしてもどうして、ショウコがここにきて、これほど「モノの値段」に興味が湧いてきたかというと、実は南アの学校のカリキュラムには、EMS(Economic Management Science)、訳して、“経済マネージメント術”という科目があるのです。ここでは、それこそ会計学の基礎や、クレジットカードの仕組み、投資、借入金やローンの意味、その返済方法などを具体的に、しかも“学校の科目”として学んでいくのです。 ここで、彼女に芽生えたのが、「私も私のお金を自分でマネージしたい」という感覚でした。これまで彼女は、月に100ランドの言ってみれば1000円という少額の「お小遣い」をもらい、そこから自分の好きな雑誌などを購入していました。洋服とか、値段の高いものは、まったくの別枠で、その都度交渉して買ってもらう、という段取りです。 これを、とにかく自分ですべてマネージしたい、と言いだしたのです。 長年、教育の仕事に携わっている私が感心するのは、ショウコの学校で学んだことを実生活にきちんと実行しよう、とする意欲です。幼いころから、例えば、校長先生が、「悪いことをしている友達がいて、それを見過ごしたら、あなたもその悪いことをしているのと同じです」というお話をされると、ショウコはそれを肝に銘じて、そういうことがあったら、必ずその“悪いこと”を、勇気を出して止めよう、とするところがありました。そのたびにいろいろけんかに巻き込まれたりもしてきていますが。 今回も、学校で学んだ、「自分のお金を自分でマネージする」ということを彼女なりに実践したいようなのです。 さて、その“お小遣いマネージメント”の金額はいくらが適当なのか、ということを友達から聞いてきました。 すると、だいたいが日本円にして、月額5000円相当の金額を親から渡されて、洋服からお菓子から、時折行く映画、はたまた近辺の学校で開かれるダンスパーティなどの催しの入場料なども“マネージ”する、ということでした。中にはこの月額が1万円ももらっている子もいるらしいのですが、それはかなり別格の“お金持ち”なんだそうです。 実際、彼女がどのくらいのお金を使っているか、と言うと、確かに月額5〜6千円だと思いますので、これを任せるのも一案かもしれません。 しかし、問題は、ショウコさん、まだまだ“うっかり”が多いのです。日本の高校生のように、毎日電車やバスを使う、といった緊張感もありません。忘れ物などは日常茶飯事です。 ですから、月額のお小遣い全額をいっぺんに彼女に渡すには、銀行口座を開いて、そこに毎月一定額を振り込む、というような方法を取らないと、ちょっと心配です。学校にはATMがあるので、それを利用することになるとおもいます。 それにしても、ショウコは寮生活でいろいろなことを学んでいるなぁ、とつくづく感心します。また、金銭感覚も健全に育っている様子が伺えるし、なによりも、彼女が南アのこういった女の子たちの中で、一歩一歩成長していく様子がことのほか嬉しい母なのでした。 全員でポーズ!
でも、みなさん、まだ14歳なんですよね〜。
by yoshimuramineko
| 2009-04-20 23:04
| アフリカの学校と子どもたち
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