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私は、自分の荷物をスーツケースに詰めるとき、その中に詰めた洋服やら靴やらに、「またお目にかかることができますように」と声をかけます。
そして、念には念を入れて、スーツケースが自分と同時期に目的地に着かないことを想定して、機内持ち込みのキャリーバッグには、必ず、2日間は生活できるような必要最低限の洋服やらを詰め込みます。 こういった予防措置は、長年の途上国暮らしのおかげかもしれません。過去、何回か、飛行機に預けた荷物が迷子になったり、紛失したりした経験があります。 ただ、海外旅行の際、スーツケースが万が一迷子になった場合でも、2、3日は支障なく行動ができるような体制を整えておくことは、途上国への移動でなくても必要なことかもしれませんね。 さて、みなさんは、旅客に引き取られる前のスーツケースがコンベアベルトの上をぐるぐる回ることをご存じですね。そのスーツケースの中に、透明ラップでぐるぐるに巻かれたものがベルトコンベアの上を行きかう様子を見たことがありますか。 もしもあなたが、「見たことがある」だけでなく、実際に自分のスーツケースをラップ巻きにしたことがあるとしたら……。それは、あなたが途上国旅行のかなり経験豊かな人材である、ということになります。 ダーバンからヨハネスブルグに出張したときの 自分のスーツケース スーツケースのラップ巻き?はい、これは、お寿司のメニューではなくて、“荷物が頻繁に盗難にあう”という悪名高き空港がその旅の到着点である場合、このラップ巻きをして、“泥棒よけ”をさせるのです。 実際、アフリカの多くの空港内には、この荷物をぐるぐる巻きにする“業者”がいて、日本円にして300円から500円くらいで透明ラップをスーツケースに巻いてくれます。ただ、ややこしいのは、この“業者”は、航空会社のカウンターにたどり着く前にお店を構えているので、これをしたあとに、「荷物を開けてください」と言われると、全部やり直し、となることです。 去年訪れたモーザンビークの空港では、この状況に陥っていた欧州系の旅行者がぶんぶん怒っておりましたが、こういった場合は泣いても怒鳴っても、アフリカでは無駄なのです。潔く、太っ腹で、もう一回ラップを巻き直すしかないのです。 まあ、正直なところ、私はこれが面倒くさくて、中身がたいしたことのない場合は、ラップ巻きをしない場合も多いのです。 さて、でも、どうして、こんなことをしなくてはいけないのでしょう。実は、これは、預けたスーツケースが、空港の職員による泥棒に合わないための自衛手段なのです。 日本では考えられないことなのかもしれませんが、途上国では、空港で働くスタッフが、乗客の荷物に手を出してしまうのは残念ながらあることなのです。もちろん、多くのスタッフは、日本人となんら変わることなく正直にその業務をこなしています。しかし、中には、職業的にこういった窃盗を働く人も存在するのです。 私の過去の経験では、到着地が途上国の首都である場合、この盗難にあう確率が高いような気がします。過去、無残にもスーツケースがこじ開けられて、中の貴重品が盗難にあった経験もありますので、用心するに越したことはありません。 でも、どうしてラップ巻きが有効なのか、と思いますか?これは、本当に単純なことなのですが、ラップ巻きにすることによって、自分の荷物が犯罪にあう確率を低くしているのです。だって、鍵をひとつこじ開ければいいスーツケースと、何重にも巻いたラップを排除する必要のあるスーツケースを比べたら、どちらに食指が動くかは言うまでもありませんね。 ヨハネスブルグの空港の移動式ラップ屋さん 料金は荷物ひとつ35ランド(約330円) さて、自己防衛のことをもう一つお話しましょう。 ある仕事のために、私が一人でヨハネスブルグを訪れた際のことです。もちろん、スーツケースはラップ巻きを施し、空港で無事に荷物を引き取りました。空港の送迎ゲートには、私の名前のカードを持ったお兄さんが出迎えてくれました。 送迎のお兄さん、名前も“トラスト・信頼”! ところが、そのお兄さんが、「予定していた送迎のドライバーが渋滞に巻き込まれて、私をホテルまで連れていけないので、別のドライバーを準備した」というのです。 ここで、さすがの私も顔の筋肉の五分の一くらいが密かに“ぴくぴく”と動きました。 う〜ん、ここは南アのヨハネスブルグ、世界でも犯罪に巻き込まれる確率がかなり高い街です。このまま、知らないところへ連れて行かれ……、荷物を盗まれて、車から放り出される……、などという不安のシナリオがいく種類も頭を駆け巡りました。 また、お兄さんは私をその別の車が停車しているのは、空港の別のホテルのパーキングだ、と言って、早足で歩き始めています。 ただ、外がまだ明るかったこと、お兄さんが予約していたホテルからの情報を正確に把握していたことを信用することにして、とにかくそのホテルのパーキングまで一緒に歩いて行きました。 そして、そこに登場したのが、小型のぴかぴかベンツと黒い背広を、びし、と着こなした格好いいドライバーさんです。う〜ん、「身なりがよすぎる」、と一瞬不安が高まりました。が、私を迎えてくれたお兄さんはもう私のスーツケースを車のトランクに入れようとしているではありませんか。 それに、この送迎のお兄さんがベンツのドライバーに日本円で500円くらいの現金を渡しているのも目撃しました。 私は意識的に落ち着いた声で、このベンツのドライバーさんに彼の名刺を要求しました。すると、会社の名刺を差し出します。個人の名前は書かれていません。一瞬、どうしよう、と躊躇しました。その空気が伝わったようで、この送迎のお兄さんが「何か?」と聞いてきました。 そこで、私は送迎のお兄さんの携帯電話番号を聞きました。彼はそれまでもひっきりなしに、携帯電話でいろいろな人と話していたからです。すると、彼は自分の携帯をさっと取り出し、私にその番号を示します。そこで、私はその番号を登録し、彼に確認の電話をかけることにしたのです。 こういった状況のとき、携帯電話は、必ず、その番号を相手の前でかけて、その番号が嘘でないかどうかを確認する必要があります。これを怠ると、だまされた場合は取り返しがつかないことになります。 ところが!心配したとおり、この時、私が2回電話をかけても、彼の携帯の呼び出し音が、一向にならなかったのです。 彼の携帯を一緒にじ〜〜〜っと覗き込む三人! 呼び出し音がなかなかならないゆえ、眉が「むむむむむ〜」と上がる私。 3人の間に、異様な緊張感がびびびと走りました。 二回目の発信にも電話がかからないので、ここで私も顔色を変えて、「ええ、どうしてかからないの?番号は正しいのをくれたの?」とやや詰問調で迫りました。 すると、この送迎のお兄さんが番号を確認させてくれ、と私の携帯を覗き込みました。 すると、駐車場に響き渡るような大きな声で嬉しそうに、 「マダ〜〜〜〜〜ム、携帯の番号の数が一つ足りない!」と叫んだのでした。 はあ、なんとお粗末なことに、私が彼の番号を登録間違えしていたのでした。 ここで三人、大笑い! 私は自分の不手際が腹立たしい苦笑い、彼らは、この“マダ〜ム”の単純な間違いにホッとした安堵の笑い、という最初の理由は全く違うものであったのですが……。でも、とにかく、正しい番号で今度は着信を確認しました。 考えてみれば、彼らも私の不安がどこからくるかは、十分理解していたはずです。ヨハネスブルグのこういった観光セクターで働いていて、彼らを取り巻く犯罪には日々敏感になっていることだと思います。私はそういった意味では、先入観で彼らを見ていたわけで、ちょっと後ろめたい感覚に襲われました。 でも、今回はこういう顛末でしたが、もしも、あなたが途上国で同じような状況に陥ったら、この携帯電話の確認のことは覚えておいてくださいね。携帯電話の番号をもらったら、必ずその場で確認のために、それが嘘でないかを確かめること。 さて、そのあと、私はこのベンツのドライバーさんに、いろいろヨハネスのことなど話しながらホテルまで無事に送り届けてもらいました。道中、彼の仕事のことなどを教えてもらったり、自慢のお嬢さんのことなどを話してもらったりして、楽しい40分でした。 今回の反省点は、ドライバーが変わる、ということを送迎のお兄さんが言い始めたときに、私がホテルに確認の電話を入れるべきだったのです。ホテルの名前はわかっていたものの、その情報がコンピューターの中にあったため、おたおたしてしまったのです。 まあ、今回は結局、「あ〜、よかった!」で一件落着。でも、くれぐれも、自分を守るのは自分、ということを肝に銘じておきたいと再確認した出来事でした。 今回のドライバーさん、セシルさん。奥さんと二人の
子どもさんと4人暮らし。子どもをいい学校に入れるために、 週7日朝から晩まで働いているそうです。でも、おかげで、 月収は学校の先生の3倍以上とのこと。
by yoshimuramineko
| 2009-03-02 01:03
| 吉村家アフリカを行く!
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